パナマ文書とは?
パナマ文書(Panama Papers)とは、中南米パナマの法律事務所であるモサック・フォンセカ※(Mossack Fonseca)によって作成された、租税回避行為に関する一連の機密文書で、リーク後の2016年に一般公開されました。
モサック・フォンセカは、オフショア金融センターのようなタックスヘイブンでの企業設立支援を扱う法律事務所として世界第4位の規模で、世界40か所以上に拠点を有しています。同事務所は、1970~80年代に、国境をまたいだ資金移動の規模が拡大しパナマが国際的なオフショア金融センターとして台頭する中で、急成長しました。パナマ文書が公表された後、2018年に営業を停止しました。
この文書は、同事務所において1970年代から作成されたもので、総数は1150万件に上り、オフショア金融センターを利用する21万4000社の企業の、株主や取締役などの情報を含む詳細な情報が書かれています。
この情報はファイル容量2.6TB(2,600GB)に及び、匿名で2015年にドイツの新聞社「南ドイツ新聞」にリークされ※、その後、ワシントンD.C.にある国際調査報道ジャーナリスト連合 (ICIJ※) に送られました。世界80か国・107社の報道機関に所属する約400名のジャーナリストが、この文書の分析に加わり、2016年4月3日、この文書についての報道は、149件の文書と伴に発表されました。関連企業・個人リストの一部追加で20万社超の法人情報は、同年2016年5月10日、ウェブサイトで公開され、オフショアリークスの検索システム(ICIJ Offshore Leaks Database)に統合され、完成版は随時発表されています。
オフショアリークス
OFFSHORE LEAKS DATABASE
Paradise Papers: Secrets of the Global Elite
※
ICIJ(International Consortium of Investigative Journalists)とは、世界のジャーナリストが共同で調査報道を行うためのネットワークで、1997年に発足、現在70か国200人以上のジャーナリストが参加、ワシントンD.C.の事務所にスタッフ20人が常駐しています。(Webサイト)
リークはなぜ発生したか
内部リークの可能性も指摘されていますが、モサック・フォンセカは「外部からのハッキングで流出した」と説明しています。違法行為への関与も否定していましたが、2017年2月に経営者のモサック氏とフォンセカ氏がブラジルの汚職事件に絡むマネーロンダリングでパナマ検察当局に逮捕されたと報じられました。
パナマ文書の内容
パナマ文書は、世界各国の首脳や富裕層が、英領バージン諸島、パナマ、バハマなどを初めとしたタックスヘイブンを利用した金融取引で、資産を隠した可能性を示しています。
この中には、ロシアのプーチン大統領、イギリスのキャメロン元首相、アルゼンチンのサッカー選手メッシ、香港の俳優ジャッキー・チェンをはじめ、世界各国の政治家、経済人、スポーツ選手などの著名人が含まれていました。アイスランドでは同文書の公表を受けて、首相が辞任する騒ぎにまで発展しました。1977年から2015年末までの間に、モサック・フォンセカとその前身事務所に対し、顧客のためにペーパーカンパニーを設立するよう求めた銀行は合計で500行を超え、その中にはUBS、クレディ・スイスなどの大手行が含まれています。
2017年6月までにパナマ文書に名前があった日本関連の個人や法人について、日本の国税当局が調査を行い、所得税など総額31億円の申告漏れがあったと報じられています。
参考
世界中の富裕層がタックヘイブンを利用している
週刊現代

タックスヘイブンを利用することは、「脱税」のような「違法行為」とは異なり、「合法」だと主張することができます。日本の個人や法人の場合は、国内で適正に納税されていれば、問題はないといえます。しかし、大企業や富裕層が課税逃れをしているために、一般の企業や国民が(しわ寄せとなって)税金を巻き上げられ、社会保障の財源として使われているため、一般納税者には強烈な「不公平感」が生じます。


